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1 地質環境の長期安定性研究検討委員会(第6回) 議事録案 1.日時場所 日時 ; 平成 21 年 3 月 9 日月 1330~1630 場所 ; 虎ノ門パストラルホテル新館5F「マグノリア」 2.出席者; (委員) 高橋委員長,鎌田委員,楠瀬委員,長尾委員,吉田委員,平川委員 (JAEA) 石川部門長,坂巻副部門長,杉原ユニット長,清水ユニット長,五十嵐室長,内田副所 長, 茂田 GL, 梅田副主幹,石丸副主幹,瀬尾 SGL,笹尾副主幹,柴田 SGL, 川村,前川, 浅森,安江,花室,黒澤 3.配付資料 資料1.地質環境の長期安定性研究検討委員会(第5回)議事録案 資料2.地震・断層活動に関する研究-H20 年度の成果および H21 年度の計画に ついて- 資料3.火山・地熱活動に関する研究-H20 年度の成果および H21 年度の計画に ついて- 資料4.隆起・侵食/気候・海水準変動に関する研究-H20 年度の成果および H21 年度の計画について- 資料5.平成 20 年度幌延地域を事例とした地質環境の長期安定性に関する研究 -H20 年度の成果および H21 年度の計画について- 資料6.地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(平成 21 年度) (案) 4.議事概要 東濃地科学研究ユニットおよび幌延深地層研究ユニットで実施している地質環境の長期 安定性に関する研究について,平成 20 年度の研究成果・進捗の概要および平成 21 年度の 計画について説明した。また,あわせて前回いただいたご意見についての対応状況を紹介 した。 5.審議結果 議事次第の説明案件ごとに質疑応答および議論の時間を設けて委員からご意見を頂いた。 各分野に対する主な意見を以下に示す。 1) 「地質環境の長期安定性に関する研究」の成果および今後の計画について (火山・地熱活動に関する研究) 〈第四紀の火山・地熱活動等の調査技術〉 ・テフラにはマグマ由来のアルゴンが残存している可能性が考えられることから,テフラ の年代測定を行う場合に K-Ar 法は適さないので,注意したほうが良い。 →K-Ar 法はテフラの年代測定に用いるのではなく,テフラの同定にあたってテフラの上 位・下位に分布する火山岩の年代測定を行う際に用いている。 資料1 2 ・今後導入を計画している K-Ar 年代測定は熱年代学的手法に用いるとのことだが,1 Ma よりも若い年代を対象とする場合,K-Ar 年代測定では同位体希釈法は使わない方がよい。 ・第四紀へのU-Th/He 年代測定手法に期待している。ヘリウムの量から考えると,東濃 の装置ではどの程度若い年代まで分析が可能か。 →現在の装置の状態で,ジルコン粒子の年代測定で数 Ma 程度までの年代測定が可能。 ・テフラを用いた編年技術については,メルトインクルージョンについて,第四紀の広域 テフラなど,よく分かっているものから進めていったほうが良いが,そういう計画はあ るか。 →まずは一般的な広域テフラで適用性を検討することを考えている。 〈地下深部のマグマ・高温流体等の調査技術〉 ・海沿いに立地が検討されている中間貯蔵施設などでは比抵抗構造解析結果における海の 影響が問題になっている。 MT 比抵抗構造解析で得られる低比抵抗異常がマグマ溜りか海 水の影響なのかを判断するため,いろいろな事例を集めて検討されたい。 ・データをきちんと出して,残しておくという点では良い成果を示すことができた。 〈構造運動による熱水活動に関する基盤研究〉 ・ヘリウムの同位体比について,大気に近い値のものを無理に補正すると現実的ではない 値になるので,サンプル採取時には,大気の混入を避けるよう,十分留意されたい。 ・ヘリウムの同位体比による地下構造の検出について,使い方によって良いモニターとな ると考えられる。トルコのアナトリア断層の研究を行った際にはデータ取得に時間がか かったため,大量にデータを集めるのは困難。 ・新潟の事例は構造が複雑であり解釈が難しいので,構造との関連を議論する場合には鳥 取県西部地震の震源域のような事例が分かりやすい。 ・新潟の事例では,最近活動した活撓曲のみヘリウム同位体比の異常が認められているの で,伏在活断層の検出という観点で気になる。また,新潟平野の場合には,キャップロ ックがあって高いヘリウム同位体比が認められないという解釈もできる。この周辺には 天然ガス井が多く,データが取得されていることから,これらのデータも調べてみては どうか。 →新潟の例は当初非火山性の高温泉の成因を検討していたが,断層の分布と整合する結 果が見られた。地下構造の検出については,新潟では構造が複雑であることから鳥取県 西部で調査を実施した。新潟の事例については引き続き検討していきたい。 ・新潟-神戸歪集中帯において,ヘリウム同位体比の広域的な変化をどう考えているか。 →北中部には,上部地殻付近に地震波の速度異常が見られ,ヘリウム同位体比が高くな っている。南部では地震波トモグラフィーの結果などから,フィリピン海プレートの上 部が固着していると考えられ,マントルウェッジが存在していないと考えられている。 断層の調査に使えるかどうかは,地下からのヘリウムが上昇しやすい地域に限られる可 能性がある。 (地震・断層活動に関する研究) 〈断層の発達履歴の調査技術の整備〉 ・地形要素抽出プログラム等を使った数値解析によって調査手法を整備したということに 3 留めることなく,現地データと如何に整合させていくかが重要である。 ・DEM を用いた地形要素抽出プログラムについては,例えば,既に 10m メッシュの DEM に相当する 2.5 万分の 1 の精度で,空中写真判読による詳細な活断層図が作成されてい るので,デジタルデータとアナログデータの擦り合わせの検討が必要である。今後,解 析対象とする精度に応じて,50m と 5m メッシュの間に DEM データを補完していくと いう考えが出てくると良い。なお,このような地形要素抽出プログラムの解析結果を文 献調査や概要調査にどのように反映することを考えているのか。 →場所が与えられた場合,専門家による調査,解析,判断が最終的には重要になると思 うが,地形要素抽出プログラムはこのような調査,解析,判断の一部を支援する解析ツ ールと考えている。 用途として, 活断層抽出に特化したプログラムということではない。 また,数値解析であるため,客観的なデータとして示すことができ,簡単な統計処理も 容易に実施可能であるため,専門家以外にも理解を促進できる可能性がある。 〈断層の活動性の調査技術〉 ・既往の断層周辺の土壌ガスを測定した研究でも,断層から離れるにしたがってガスの放 出濃度が低くなる例や方向に依存する例が報告されていることから,これらの事例を参 照すると良い。 ・メタンガスや二酸化炭素を合わせて測定することにより,水素ガスの起源をどう解釈し ていくかも重要で。 ・水素ガスの放出量分布と微小地震分布とがどのように関連しているかを検討することは 重要である。 ・水素ガス濃度の測定において,他のガスが出ているとそれで薄められる場合があり,測 定値がそのまま放出量とならない可能性があることから注意が必要である。 ・断層ガウジよりも断層角礫の部分で,高濃度の水素ガスの放出が認められるということ は,断層角礫の方が流体移行経路となりやすいことを示していると思われるので,事実 として納得できる。また,方向依存が認められる点は興味深い。 ・断層ガスを利用した調査手法については,露頭規模から広域的な範囲で面的に流体の移 行経路となりやすい箇所を概括的に把握する手法として整備されることは良いと思う。 〈地震・断層活動の影響評価モデル〉 ・地殻変動解析プログラムの解析で示された地形変化の範囲と,処分システムに対して影 響がある範囲とは一対一で対応するものではない。例えば,地形的に変化があっても, 処分システムの性能を損なうような影響がない場合も考えられる。 「影響評価」という言 葉は,地層処分に係わる研究開発全般についてのストラテジーや計画を背景にして用い た方が良い。 ・今後の研究の方向性として,断層活動によって地層処分システムに対して具体的にどの ような影響が及ぶのかというような観点が重要である。つまり,活断層が近くにあった 場合,どのような影響があるのか,そのための情報として,どのようなデータを集めな いといけないのかを考える必要がある。言い方を換えれば,近くに活断層があったとし ても,条件によっては地層処分システムの安定性を保証できるというような方向性を示 すことが重要である。活断層は,今後も重要な問題であるので,そうした意識が重要と 考える。 4 (隆起・侵食/気候・海水準変動に関する研究) ・隆起量の調査技術については,整理の仕方を工夫すると良い。鏑川や土岐川の事例だけで まとめるのではなく,国内各地で得られている既存情報を用いて地形変化の傾向を整理 すると良い。 ・これまで行ってきた過去から現在までを把握する研究や調査技術開発だけでなく,将来を 予測するという研究の方向性を考えると良い。 ・どのくらいの精度で将来を予測できるのかを示すことが重要である。例えば,これまで に取得したデータを用いて過去のある時点から予測した現在の地形と実際の現在の地形 とがどの程度異なるかを示すという方法が考えられる。 ・実際に見られる地形の変化量が, 地下水流動に及ぼす影響の程度を考慮した調査が必要である。また,影響の程度を把握 する手法について,今まで行ってきた調査研究を含めて整理していくと良い。さらに, 調査研究が性能評価や安全評価にどのように結びつくかも考えていくと良い。 2) 「幌延における長期安定性研究」の成果および今後の計画について 〈地質環境の長期変遷を考慮した地下水流動への影響評価〉 ・断層の形状が異なる解析ケース間での全水頭の差を表した図において,影響が認められ る範囲はどの程度か。 →深度 1km 程度に影響が見られる。現在,沿岸域でボーリング孔を掘削し調査を行って おり,その調査結果などに基づいて影響の程度を確認できればと考えている。 〈今年度の進捗〉 ・力学的・水理学的影響範囲という表現について,地震・断層活動に関する研究での指摘 と同様,影響範囲とは変化の範囲と理解した上で,処分システムの安全評価において, 透水性や動水勾配など,どのような種類の情報が必要でそれらがどの程度の幅を有する のかについて検討していく必要がある。 ・深地層の研究施設の活用を検討すべき。解析結果の検証用としての活用のほか,今後の 計画にも示されている地下施設周辺の水理地質構造モデルの更新は重要であることから, ぜひ進めていって欲しい。 ・幌延はよく研究されており,他にここまで調べている事例はないので,長期安定性の研 究例として,社会に広く情報を発信していくことが重要である。 →学会等での成果の紹介を行ってきているが,ご指摘の取り組みは不十分であると認識 している。具体的な取り組みの方策については今後本委員会でのご意見をいただきなが ら進めていきたい。 3)その他 ・今後の長期安定性の研究については,個別の学術的な研究ではなく,処分システムの安 全性を評価することを念頭に置いた研究に絞っていって欲しい。 以上
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