资源描述:
- 160 - 能登半島地震の地質環境災害に関する現地調査結果 -その 3 輪島市門前町舘~走出および道下での被害状況- 風岡 修 笠原 豊 楠田 隆 古野邦雄 1 はじめに 輪島市門前町では,多くの家屋が倒壊し たり,斜面崩壊も見られた。特に舘~走出 集落および道下集落ではほとんどの家屋に 何らかの被害があった。舘~走出には旧門 前町役場がありここに最大震度を示した震 度計が設置されている。最も建物被害がひ どかったのは道下である。なお,これら被 害の深刻な地域は,この南が中期中新統の 道下累層の礫岩層から構成され,地すべり 崩壊ブロックを伴っている 1。舘および道 下付近は,微高地であるものの,この南の 図 1 輪島市門前町道下~走出付近の地質図 1 図 2 門前町道下および舘~走出の被害分布 地すべり崩壊地の末端部に位置している。 2 門前町舘~走出 こ の 付 近 は こ の 北 の 八 ヶ 川 の 低 地 よ り も数 m 高い微高地である。この微高地上に おいて,全壊家屋が多数みられた。この付 近には丸井戸が多数存在し,地下水面は地 表面から 1m 程度と高い。また,この地域は 地すべり崩壊地の末端部に位置している。 よって,地下水位が高く軟弱な崩壊堆積物 上に位置することが推定されることから, 強震動となったものと推測される。 図 3 輪島市門前町舘での被害(多くの家屋 が東西方向に倒れた) 図 4 舘における丸井戸(地下水位が浅い) - 161 - 図 5 舘における家屋の倒壊(道路面に凹凸 がみられる) 3 門前町道下 こ の 付 近 は , 谷 の 出 口 の 扇 状 地 状 の 微 高地である(図 2) 。この微高地の北側,西 側及び微高地の東側にある城谷川沿いで全 壊家屋が集中してみられた。微高地上の深 刻な被害があった部分では地下水位が高い。 微高地から下った八ヶ川沿いでも全壊家屋 が見られた(図 7) 。なお,城谷川沿いでは わずかではあるが噴砂がみられた。噴砂の 砂はアレナイト質の淘汰の良い海浜砂のよ うな砂であった(図 6) 。この地域は広い地 すべり地を伴う城谷川の谷の出口の扇状地 状の微高地であることから,舘と同様に厚 い沖積層の存在による強震動による被害が 推測される。なお,道下地区西縁の海側は 周囲よりもさらに高い砂丘地であり,そこ では建物の損傷は軽微であった (図 8, 9) 。 図 6 道下地区南部の微高地の裏側にみられ た噴砂(砂はアレナイト質の細粒砂である。 ) 図 7 道下北部の微高地下の低地での被害 図 8 道下西部の微高地の被害状況 図 9 道下の南から見た微高地と被害状況 以 上 の よ う に 平 野 縁 辺 部 の 斜 面 崩 壊 堆 積物による微高地上で大きな被害がみられ た。千葉県内では,房総半島南部の地すべ り地帯に同様な地質環境がみられる。 また, 下総台地の谷津田を残土石で覆った部分も 同様な地質環境が考えられる。これらの場 所では同様な被害が起こる可能性がある。 引用文献 1 絈野義夫,山田一夫表層地質図.土地 分類基本調査「穴水・富来・剣地」5 万 分の 1,表層地質図および同説明書,石 川県,19-28(1991) .
展开阅读全文