高レベル放射性廃弃物の最终処分地选定に関わる地质环境调査の社会.pdf

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社会技術研究論文集 Vol.4, 136-146, Dec. 2006 136 高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に 関わる地質環境調査の社会技術的アプローチ SOCIO-TECHNOLOGICAL APPROACH FOR SITE INVESTIGATION PROCESS ON HLW REPOSITORY DEVELOPMENT PROGRAM 坪谷隆夫 1・安藤賢一2・山本修一3・佐藤晶子4 1学士(理学)財原子力環境整備促進・資金管理センター(E-mailtsuboyarwmc.or.jp) 2 博士(工学) 株大林組 東京本社 土木技術本部技術第四部(E-mailando.kenichiobayashi.co.jp) 3博士(工学) 株大林組 東京本社 土木技術本部技術第四部(E-mailyamamoto.shuichi obayashi.co.jp) 4学士(農学) 株大林組 東京本社 土木技術本部技術第四部(E-mailsato.shokoobayashi.co.jp) 高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の建設は,わが国においても重要な政策課題となっている.しか し,施設を建設する立地点の選定は極めて重要な社会意思決定が求められるものと認識されている.立地 点調査の中核となる地質環境調査とその結果もたらされる地質環境情報は,高レベル放射性廃棄物の最終 処分施設計画の中でもとりわけ「情報の非対称性」が著しく,施設計画の社会意思決定を困難にしている 要因の一つではないかと考えられる.ここでは,地質環境調査の有する情報の非対称性に着眼して,地質 環境調査に関わる情報を社会と共有し,共同で意思決定をおこなうためのツールとして,「ITベース・調 査システムフロー」を開発した.「ITベース・調査システムフロー」は,地点選定における調査から評価 に至るプロセスと関連する技術情報を透明性および追跡性を確保し,かつ,視覚的に分かりやすく表現す ることを試みるもので,高レベル放射性廃棄物の最終処分施設計画における情報の非対称性の緩和に役立 つものとと考えられる. キーワードキーワード情報可視化,意思決定,合意形成,ITベース・調査システムフロー,情報の非対 称性,高レベル放射性廃棄物,処分場開発 1. 事業の特性と課題 事業の特性と課題 現在,原子力発電はわが国の電力のおよそ3割以上を 生み出しており,エネルギー確保の上で重要な役割を担 っている.その一方で,原子力発電所で使用した燃料か ら,有用な資源となるウランやプルトニウムを分離回収 した後,放射能の強い放射性物質を含んだ高レベル放射 性廃棄物が発生している.高レベル放射性廃棄物は,寿 命は短いが放射能の濃度が高い放射性物質と放射能の濃 度は低いが寿命が長い放射性物質を含んでいる.原子力 発電によって生み出される電気の恩恵を享受するために は,発電の過程で発生する高レベル放射性廃棄物を少な くとも数千年の長期にわたって安全に管理することが求 められる.すなわち,長期的な安全管理に当たっては, 高レベル放射性廃棄物が不適切な方策によって管理され ることに伴う現世代から将来世代にわたる放射線被曝の リスクを現在可能な最善の技術によって出来るだけ回避 することが重要である. 高レベル放射性廃棄物は,物理的・化学的に安定な固 体,例えば,黒曜石のようにガラスの形状などとして管 理することが重要である.核兵器保有国などで高レベル 放射性廃棄物が発生し始めた1950年代から米国を始 めとする各国の専門家は,このような安定な形状にした 高レベル放射性廃棄物の南極氷床下や宇宙などへの最終 処分についても検討してきたが,地下深部の地層中が最 も適切な場所であり,「地層処分」が確実な対策である ことが世界共通の認識となっている 1.高レベル放射性 廃棄物の地層処分は,将来世代に施設の建て替えやテロ 行為の防止など過度な負担を求めることなしに放射性廃 棄物を物理的に生活環境から隔離し,その中の放射能や それからの放射線が将来にわたって人間とその生活環境 に影響を及ぼさないようにすることを基本とする技術で ある 2. 高レベル放射性廃棄物は,先に述べた短寿命で高放射 能の放射性物質に起因する発熱を冷却するため30-5 0年程度地上などの施設内において安全な保管管理が必 要である.今までは,このような技術的な(冷却期間が 必要であるという)理由から地層処分の実施に対する時 間稼ぎが可能であったが,わが国においても,また,欧 米諸国においても保管量の増大などを背景に高レベル放 射性廃棄物の地層処分の実施に向けた計画(最終処分場 開発計画)の遂行がエネルギー政策や環境政策における 社会技術研究論文集 Vol.4, 136-146, Dec. 2006 137 最重要課題の一つとなっている. わが国においては,今までに技術に関わる基本的な検 討 3に加えて社会的・経済的な側面からの検討4が進め られてきた.それらの検討結果を基礎として,高レベル 放射性廃棄物を深度 300m 以深の地下に処分(地層処 分)することとしてその基本的な制度を定めた「特定放 射性廃棄物の最終処分に関する法律」(平成 12 年 6 月 公布)(以下「最終処分法」という)が制定され,現在 この法律に基づいて実施に向けた準備が進められている. Fig.1 に最終処分施設のイメージを示す 5.地層処分は温 度,圧力,化学的性質が安定した深部地下にガラス,金 属材料,粘土材料などを用いて人工的な多重のバリアを 作り,地層という天然のバリアと一体化して放射性物質 を長期にわたって生物圏から隔離することで安全を確保 する概念である.したがって,放射性物質の移動を支配 する地下水の動きやその化学的特性および地質構造など が適切に評価されることが前提であり,そのための地質 環境調査が安全の出発点といえる. 高レベル放射性廃棄物の特徴を踏まえ,高レベル放射 性廃棄物処分の安全性は,長期的な観点から安全性に影 響が及ぶおそれのある因子に配慮しつつ,処分地の選定 や工学的な対策による安全確保のための対策を講じると ともに安全評価等の安全確認によって確保される.この 「安全評価」については,適切なシナリオを仮定し,一 般公衆が放射性物質から受けると想定される線量を評価 し,定められた放射線防護レベルを超えることがないこ とを確認することが基本であるとされている 6. このような安全確保の観点から極めて重要な最終処分 地選定の手順としては,複数の候補地を募り,最終処分 法によって文献調査に基づく概要調査地区選定段階,地 表から調査する精密調査地区選定段階,地下に調査施設 を作る最終処分施設建設地選定段階を経て,実際の処分 地を決定し,処分場の建設へと段階を踏んで進めること となっている.これらの調査においては,地表からのボ ーリング調査や物理探査,地下調査施設を用いた調査な どにより,地表から地下深部までの岩盤および地下水の 性質などを体系的に調べ、高レベル放射性廃棄物の処分 地としての地質環境を理解するとともに,処分施設の設 計や処分場の安全性の事前評価に必要な情報を取得する. この安全評価の中では,多岐にわたる科学・技術分野 において高度な検討が要求され,評価対象とする期間も 超長期(数万年以上)にわたる. 地層処分技術は,地質環境の空間的な不均質性や時間 的な地質環境の変化などによる不確実性(Valiability)が 不可避的に伴うことに対してどのように応えるのかが中 心的な課題であると言っていい.一方で,最終処分地の 選定など地層処分計画の実施段階においては,数値解析 による安全評価や処分地選定における地質環境の理解に Fig.1 最終処分施設のイメージ図 5 対する科学的・技術的な信頼性への疑問,さらには世界 的にも米国の岩塩層内地層処分の例だけで国内では前例 を見ない計画であり,かつ,放射能,地下深部,地下水 などという目に見えない生活の安全に関わると考えられ ることへの不安,孫あるいはそれ以上の世代に対する現 世代での意思決定への躊躇など,社会的な命題に応える 必要がある.言い換えれば,地層処分技術の社会への実 装段階における最重要課題は,高レベル放射性廃棄物の 地層処分技術を社会技術ととらえ,社会が地層処分の実 施に向けて意思決定が出来る地層処分技術を整備するこ とではないかと考えられる. また,先に述べたように,最終処分法は複数の候補地 から透明性を持って段階的に最終処分地を絞り込む処分 地選定プロセスや,処分地選定や処分場の操業などを担 う実施主体の設立,将来の最終処分に所要な費用の積み 立てなどを法制化している.社会が地層処分の実施に向 けた意思決定をするうえでも,地層処分技術の整備と相 まってこのような制度の整備と適切な運用が必要である と考えられる. 地層処分計画は,数十年にわたる段階的な処分地選定 や40-50年程度にわたる地下施設の建設と高レベル 放射性廃棄物の搬入,地下施設の閉鎖など100年以上 にわたる事業である.このような長期事業に関して,先 進的に計画を進めているスウェーデンなどにおいては 「段階的な処分施設建設・廃棄物搬入」を中心とした 「段階的処分場開発計画」を打ち出している 7. このような方策は,長期間にわたる建設・操業などに これからの技術進歩を柔軟に取り入れられる側面ととも に実施主体を中心とする関係機関と国民・地域社会との 対話の結果得られた社会技術の側面からも積極的に評価 できるものと考えられよう. そこで,本稿では,Fig.2に示すような多岐にわたる 社会技術研究論文集 Vol.4, 136-146, Dec. 2006 138 既存資料 + リモートセンシング 既存資料 + リモートセンシング 時間の変化 時間の変化 広い範囲 深い深度 広い範囲 深い深度 可視できない情報可視できない情報 ITベース・調査システムフロー ITベース・調査システムフロー 超超超超長長長長期期期期のののの変変変変化化化化 年年年年・ ・ ・ ・季季季季節節節節変変変変動動動動のののの評評評評価価価価 広広広広いいいい範範範範囲囲囲囲、 、 、 、 数数数数1 1 1 10 0 0 00 0 0 0m m m mかかかからららら1 1 1 10 0 0 00 0 0 00 0 0 0m m m mのののの深深深深度度度度 地地地地下下下下のののの状状状状況況況況、 、 、 、熱熱熱熱分分分分布布布布、 、 、 、地地地地 下下下下水水水水流流流流動動動動、 、 、 、力力力力学学学学特特特特性性性性等等等等 性能評価 長期地質の安定性評価 施 性能評価 長期地質の安定性評価 施設設設設計 計 不不不不足足足足ななななデデデデーーーータ タタ タ、 、 、 、 不不不不足足足足なななな地地地地域域域域のののの特特特特定定定定 空空空空間間間間と とと と時時時時間間間間のののの補補補補完完完完 調調調調査査査査と とと と整整整整合合合合し し し したたたたモモモモデデデデルルルル 物理探査技術 ボーリング孔 を利用した調 査技術 トレンチ技術 物理探査技術 ボーリング孔 を利用した調 査技術 トレンチ技術 Fig.2 ITベース・調査システムフローの役割 複雑で高度な検討が要求される高レベル放射性廃棄物の 処分事業を対象に社会技術の役割を示し,地層処分の安 全確保の観点から極めて重要とされている処分地の選定 手法として提案している「IT ベース・調査システムフ ロー」について報告し,その有用性と課題について検討 した. 2. 社会への実装に向けた社会技術の必要性 社会への実装に向けた社会技術の必要性 本論では,国民レベルおよび地層処分施設の候補地に おける(なろうとする)地域社会,大都市圏など電力消 費地域,もしくは利害関係者(いわゆる「ステークホル ダー」)を高レベル放射性廃棄物の地層処分に関係する 「社会」と考えている. 地層処分は,第1節で述べたように,高レベル放射性 廃棄物の特徴を踏まえた技術であるが,それを社会に実 装するためには社会技術として整備していく必要がある. そのためには,国(政策および安全規制当局),実施 主体などは高レベル放射性廃棄物の発生の由来や特徴, 地質環境の特徴や安全評価など地層処分の考え方や仕組 みなどに関する社会的な認知レベルやリテラシーの向上 に努めることが重要である. 地層処分のように社会的な意思決定が難しいと考えら れる計画においては,社会と国,実施主体などが,「地 層処分は将来世代に過度な負担を求めることなしに放射 性廃棄物を物理的に生活環境から隔離し,その中の放射 能やそれからの放射線が将来にわたって人間とその生活 環境に影響を及ぼさないようにする信頼性の高い技術で あり,また,社会が安心できる技術オプションが積極的 に開発導入される」との認識を共有していくことが重要 であると考えられる. 2.1. 社会からの観点 社会からの観点 社会の地層処分に対する認知レベルは高くない.20 03年に実施された全国レベルの調査によれば,地層処 分という方法を「全く知らない」および「あまり知らな い」人が59㌫であった.また,地層処分に「どちらか といえば反対」および「反対」は47㌫で,「わからな い」と答えた人は38㌫に上る 8.先に述べたように, 高レベル放射性廃棄物の地層処分についての社会的認知 度を社会技術的に練られた適切かつ有効な方法によって 高めていくことがまずもって肝要である.しかし,その ようにして社会が「総論賛成」となっても,高レベル放 射性廃棄物処分施設の立地は典型的な「各論反対」事例 であるのではないかと考えられる.例え,社会が放射性 廃棄物を適正に処分することは健康で快適な生活を送る ために不可欠であると認識し,そのための処分施設も建 設されなければならないと考えても,わが国における廃 棄物関連施設など社会的な摩擦を起こすプロジェクトは, ひとたび廃棄物処分施設の立地が計画されると,施設の 建設・操業・閉鎖から将来にわたり発生するかもしれな い様々な悪影響を予想し,往々にして,「その場所で の」建設に反対する運動,NIMBY(裏庭にはだめ)シ ンドロームが起こることが想定される 9. 高レベル放射性廃棄物の地層処分計画は,エネルギー の安全保障の観点から極めて公共性が高い施設の立地で ある.国民レベルで地層処分計画の認知レベルを高めて いくとともに地域社会にあってはこのような公共施設を 全国民を代表して立地していく「誇り」が醸成されるこ とが望まれる.そのためには,社会が期待する様々な条 件が満足されなければならない.まず,廃棄物処分施設 が敬遠される根本的な理由はその施設が稼動することに よって生じる(かもしれない)健康・生活環境・社会環 境・自然環境への悪影響に対する懸念である.これが 「迷惑施設」とされる所以であるが,社会意思決定のた めにはそれらの悪影響の可能性を何らかの形で相殺しな ければならない. そのような拒否反応を緩和する対策のひとつは,排出 責任の自覚である.当然,処分施設の持つ様々なリスク はそこで処分される廃棄物に原因があり,その廃棄物は 人間活動の副産物として排出される.社会に排出責任の 認識があれば,ある程度の不利益はやむを得ないと考え る余地が生まれる. しかし,自分の排出責任だけでは,処分施設のリスク とバランスをとることが難しい. 特に,高レベル放射性廃棄物という「ゴミ問題」は, 各世帯が自分が使用した電力に相応する放射性のごみを 処分するわけではなく全国的に集中処分が考えられるの で,処分施設からの社会的な影響が及ぶ地域が著しく限 定される.その不公平感に対して,地域社会が,地層処 分計画に関わる潜在的なリスクに見合うと考えられる 「利益」が得られることによって,そのバランスをとる ことも必要になる.この利益には,交付金制度のような 仕組みが重要である.さらに,高レベル放射性廃棄物の 社会技術研究論文集 Vol.4, 136-146, Dec. 2006 139 地層処分計画が高度な知識を要求し,かつ,長期にわた る事業であるので,世代を超えた地層処分技術の継承の ために優秀な人材や「知」の供給源を確保する必要があ り,そのため処分技術の専門家を養成する機能を兼ね備 えた大学などの設置を視野に入れることが出来る. また,国,実施主体などが実施する情報提供やコミュ ニケーションの場などを通じて地層処分計画に関わる正 確な情報を取得するとともに技術オプションや安心でき る仕組みなどを共同で検討していくことも重要ではない かと考えられる. 2.2. 実施側からの観点 実施側からの観点 前述したように地層処分においては,将来の極めて長 い期間にわたって安全性を評価するため,廃棄物を埋設 しようとする地質環境を適切に理解することが重要であ る.そのために地質環境調査は,最終処分地の選定にお いて技術的に極めて重要な役割を有している.地質環境 調査は,多岐にわたる調査技術と多くの解析モデルを合 理的に組合わせて実施され,長期にわたる時間と,高度 で多くの分野の専門家の参画を要する. しかし,地表から地下深部までの岩盤および地下水の 性質などを中心とする地質環境の理解とは,合理的な調 査結果から地質環境を推定し,科学的に蓋然性が高いと 考えられる場を探求する行為といってよい.そこには, 様々な専門家の知識とそれに基づく判断が存在する.よ って地質環境を適切に理解するには,調査の専門家だけ ではなく解析,評価を行う一連の専門家がそれぞれの立 場からの専門的判断を互いにすり合わせていく必要があ る.また,調査の側は,採取するデータが何に用いられ るかを理解し,目的に合った調査計画を立てるとともに, 解析する側に調査の前提条件や調査時に起こった事象な ど,彼らの判断に必要となる情報を的確に受け渡すこと も重要となる. また実施主体は,自らが行った調査・解析・評価とい った行為における過程と結果について,社会にわかりや すく発信する責任を有する.高レベル放射性廃棄物の地 層処分計画は,地質環境調査だけに限らず,その技術情 報が第1節および第2節で述べたように埋設しようとす る廃棄物の特徴,安全評価など多岐にわたり膨大である うえ,安全評価や地質環境調査など事業の進展に伴い累 積更新されていくという特徴を有する.従って,地層処 分に関わる技術情報は,実施主体を始め国などに集中的 に集積され,そのままでは多くのステークホルダーにと っては情報の内容や更新の経緯などに接することが難し い,典型的な「情報の非対称性」10(複数の当事者間で, 保持する情報量に著しい格差がある状態などを指す)を 有するプロジェクトであるといえる.今後も地層処分に ついて社会の意思決定を困難にしていくとすれば,その 重要な原因の一つにこの情報の非対称性があるのではな いかと考えられる. そこで,実施する側からの観点としては,高レベル放 射性廃棄物の地層処分に関わる技術情報は,様々な専門 家が「全体像と相互関係の把握」ができること,個々の 意思決定プロセスを残し,追跡できる「トレーサビリテ ィ」が確保されていること,社会から見て何を実施して いるのかが分かる「透明性」を確保し,社会にわかりや すく伝えるための「説明責任」を果たすことなどを念頭 に置いた社会技術として整備していくことが,この情報 の非対称性を緩和するために不可欠ではないかと考えら れる. 3. その社会技術を構成する科学技術的ツールに 求められる機能 その社会技術を構成する科学技術的ツールに 求められる機能 第2節で述べたように,社会を対象とした「意思疎通 経路の確保」,「情報の公開」,「共同の意思決定」を 実現する科学技術的ツールに求められる機能を以下に示 す. ・ 意思疎通経路の確保インタラクティブなホーム ページ.一方通行で無い,参加性の高いインター ネットによるバーチャルコミュニティーの構築 ・ 情報の公開・共有インターネット,ホームペー ジからの地質環境調査データベースのリンク,デ ータのダウンロード ・ 共同の意思決定意思疎通経路の確保と情報の公 開・共有を前提にした参加性および中立性の高い コミュニケーションの場の設定 また,実施側の立場からは,「全体像と相互関係の把 握」,「トレーサビリティ」や「透明性」を確保し, 「説明責任」を果たすためにツールに求められる機能と して,以下の技術が考えられる. ・ 全体像と相互関係の把握単純な視覚による把握 可能な枠組みとその可視化技術 ・ トレーサビリティ情報間のリンクと個別情報の 背景に存在する過程や判断の記録 ・ 透明性関連する意思決定の記録へのリンク.知 識レベルの一括管理と表示 ・ 説明の分かりやすさ可視化技術と知りたいレベ ルに応じた表示レベル 4. ITベース・調査システムフローの概要ベース・調査システムフローの概要 ここでは,高レベル放射性廃棄物の地層処分技術を社 会技術として整備するため,「地層処分の長期安全性を 社会技術研究論文集 Vol.4, 136-146, Dec. 2006 140 提示する安全評価」と並んで情報の非対称性が著しいと 考えられる「処分地選定に関わる地質環境調査」を対象 として,社会技術を構成する科学技術的ツールの開発を 試みた. 4.1. 調査システムフロー(第一次案)の概要 調査システムフロー(第一次案)の概要 地質環境調査で収集した情報は,個々の検討(地質環 境の長期安定性の評価,施設設計,性能評価)に用いら れる.筆者らは,まず,個々の検討項目に関して,評価 項目および評価に必要となる調査技術についての考え方 を整理し,評価に必要な情報と調査技術の連関を示すデ ータフローダイアグラムを Fig.3 のように構築した 11,12. 個別の調査手法に基づく取得データと情報の適用(評 価)との連関がデータの解釈,モデル化,概念化等を含 めた一連の調査フローとして図の右から左に向けて示さ れており,地点選定段階に適用される調査手法と検討項 目の関係について客観的に把握することが可能となった. また,調査段階の進捗,個別検討・評価の進展,地質 環境調査の進展・展開の3つの時間的要因(時系列)を 考慮した調査の流れを調査段階ごとの具体的な調査計画 例とともに表現した(これとデータフローダイアグラム を合わせて調査システムフロー第一次案とよぶ).これ をFig.4に示す. 調査システムフローを用いることにより,地点選定段 階における地質環境特性調査における技術の流れ,デー タの流れ,時間の流れといった多方面から視覚的に過程 と結果をとらえることが可能となった.しかし,これら は紙をベースにした場合,膨大な情報量となり,実用的 でなくなる.そこで,実際の調査段階での適用を考慮し, IT化を行った.その内容を次節以降で報告する. 4.2. IT化の主な内容化の主な内容 本研究では,放射性廃棄物処分における処分地選定段 階における調査を事例として,社会技術を構成する科学 技術的ツールに求められる意思疎通経路の確保,情報の 公開・共有と言った機能を有するシステムIT ベー ス・調査システムフロー(IT based SIFD, Site Investigation Flow Diagram)の構築を行った. 風成塵の堆積量・堆積年代 粘土鉱物の結晶度 モデル化/概念化解釈 取得データモデル化/概念化解釈 取得データ調査手法調査手法 長期地質安定性長期地質安定性 空中写真判読 航空写真測量 衛星画像解析 リモートセンシング 重力探査 磁気探査 電気探査 電磁探査 地震探査 放射能探査 単孔式物理探査 孔間物理探査 物理探査 室内物理試験 室内力学試験 化学試験 地質・鉱物学的分析 水質分析・測定 放射年代測定 室内試験・測定技術 既存情報による調査※ 性能評価性能評価設計技術設計技術 データフローダイヤグラムデータフローダイヤグラム 情報の適用情報の適用 統合化データフローダイヤグラム統合化データフローダイヤグラム 統合化データフローダイヤグラム統合化データフローダイヤグラム 地震・断層活動地震・断層活動 海溝型巨大地震動の影響 内陸直下型地震動の影響 断層・リニアメント等の活動性 岩盤の破断、断層変位等の影響 火山・火成活動火山・火成活動 火山分布 火成活動 隆起・沈降・侵食隆起・沈降・侵食 隆起・沈降特性 侵食特性 気候・海水準変動気候・海水準変動 気候変動特性 地質変遷シナリオの定量化地質変遷シナリオの定量化 地震・断層活動の影響 火山・火成活動の影響 隆起・沈降、侵食の影響 気候変動の影響 地下水流動の評価地下水流動の評価 水理地質構造モデル 地下水駆動力 地下水流動系 核種移行の評価核種移行の評価 核種移行モデル コロイド・有機物・微生物の影響 不確実性 処分坑道仕様処分坑道仕様 処分坑道断面 廃棄体ピッチ、処分孔間隔 処分場レイアウト処分場レイアウト 処分場位置および深度 処分パネルの配置・方向 アクセス坑道の位置、配置 主要坑道および連絡坑道の配置 緩衝材・埋戻し材緩衝材・埋戻し材 緩衝材の設計 埋戻し材の設計 人工バリアの長期健全性人工バリアの長期健全性 再冠水時の人工バリアの挙動 構造力学安定性 耐震安定性 ガス移行評価 緩衝材の岩盤浸入 人工バリアの化学的変状・劣化 調査エリア地質構造モデル 地質構造 断層・破砕帯構造 地下水年代分布 地下水化学分布 リニアメント 位置・規模 岩盤の透水係数 割れ目の頻度・大きさ・方向割れ目の幾何学特性 割れ目の透水特性 地形構造 水理境界 地下水位 間隙水圧 地温分布 断層・破砕帯の内部構造 地質分布・層序 岩盤の力学解析モデル 詳細地質構造モデル 地震パラメータ 地形・地質構造発達史 初期地圧 粘土鉱物特性 地形面区分 地形面年代 地形面高度 火山性微動 地質温度構造図 気温・水温・乾燥量 イオン含有量 岩盤の熱特性 間隙水圧分布 地域水理地質構造 詳細水理地質構造モデル 岩盤静的力学特性 岩盤動的力学特性 緩衝材材特性 隆起規模・様式・速度・量 侵食規模・様式・速度・量 岩種・岩級 断層・破砕帯 位置・規模 降水量 湧水量/蒸発散量 河川流量 地形解析 地形測量 トレンチ調査 地化学調査 地表水質調査 水文調査 土壌調査 地表調査 地表地質踏査 広域水理地質構造モデル 透水係数分布 母岩の透水構造 岩石鉱物組成 地下水年代特性 広域地質構造 地下水組成 地域地質構造 ・連続体モデル ・割れ目ネットワークモデル 熱対流 ・決定論的モデル ・確率論的モデル 岩石の透水係数 地下水流動系 酸化還元電位 変質幅 拡散幅/実行拡散係数 分配係数 有機物・微生物種類・濃度 地下水流動への影響 火山の有無 気候変動曲線 掘削技術 コア観察 孔曲がり測定 孔壁観察 物理検層 孔内水平載荷試験 初期地圧測定 透水試験 地下水検層 間隙水圧測定 地下水位測定 ボーリング調査(群列を含む) 地下水採取 堆積面・堆積相・地層 涵養量 核種移行特性への影響 隆起・沈降特性 侵食特性 断層活動履歴 埋戻し材特性 堆積面年代 ・GPS測量 凡 例 解析用モデル 分岐・合流 分岐・合流しない ※既存情報による調査は、基本 的にすべての調査に反映される ものと考え、既存情報のみより データが与えられる場合以外の フローダイヤグラムは省略した。 凡 例 解析用モデル 分岐・合流 分岐・合流しない ※既存情報による調査は、基本 的にすべての調査に反映される ものと考え、既存情報のみより データが与えられる場合以外の フローダイヤグラムは省略した。 建設・操業への著しい影響 建設・操業への著しい影響 水質組成特性 調査エリア水理地質構造モデル 熱水変質帯分布 海食(波食台)の幅 海水準変動曲線 海水準変動周期・速度・量 比抵抗分布 塩水-淡水境界 風成塵の堆積量・堆積年代 粘土鉱物の結晶度 モデル化/概念化解釈 取得データモデル化/概念化解釈 取得データ調査手法調査手法 長期地質安定性長期地質安定性 空中写真判読 航空写真測量 衛星画像解析 リモートセンシング 空中写真判読 航空写真測量 衛星画像解析 リモートセンシング 重力探査 磁気探査 電気探査 電磁探査 地震探査 放射能探査 単孔式物理探査 孔間物理探査 物理探査 重力探査 磁気探査 電気探査 電磁探査 地震探査 放射能探査 単孔式物理探査 孔間物理探査 物理探査 室内物理試験 室内力学試験 化学試験 地質・鉱物学的分析 水質分析・測定 放射年代測定 室内試験・測定技術 室内物理試験 室内力学試験 化学試験 地質・鉱物学的分析 水質分析・測定 放射年代測定 室内試験・測定技術 既存情報による調査※既存情報による調査※ 性能評価性能評価設計技術設計技術 データフローダイヤグラムデータフローダイヤグラム 情報の適用情報の適用 統合化データフローダイヤグラム統合化データフローダイヤグラム 統合化データフローダイヤグラム統合化データフローダイヤグラム 地震・断層活動地震・断層活動 海溝型巨大地震動の影響 内陸直下型地震動の影響 断層・リニアメント等の活動性 岩盤の破断、断層変位等の影響 地震・断層活動地震・断層活動 海溝型巨大地震動の影響 内陸直下型地震動の影響 断層・リニアメント等の活動性 岩盤の破断、断層変位等の影響 火山・火成活動火山・火成活動 火山分布 火成活動 火山・火成活動火山・火成活動 火山分布 火成活動 隆起・沈降・侵食隆起・沈降・侵食 隆起・沈降特性 侵食特性 気候・海水準変動気候・海水準変動 気候変動特性 地質変遷シナリオの定量化地質変遷シナリオの定量化 地震・断層活動の影響 火山・火成活動の影響 隆起・沈降、侵食の影響 気候変動の影響 地下水流動の評価地下水流動の評価 水理地質構造モデル 地下水駆動力 地下水流動系 核種移行の評価核種移行の評価 核種移行モデル コロイド・有機物・微生物の影響 不確実性 処分坑道仕様処分坑道仕様 処分坑道断面 廃棄体ピッチ、処分孔間隔 処分場レイアウト処分場レイアウト 処分場位置および深度 処分パネルの配置・方向 アクセス坑道の位置、配置 主要坑道および連絡坑道の配置 緩衝材・埋戻し材緩衝材・埋戻し材 緩衝材の設計 埋戻し材の設計 人工バリアの長期健全性人工バリアの長期健全性 再冠水時の人工バリアの挙動 構造力学安定性 耐震安定性 ガス移行評価 緩衝材の岩盤浸入 人工バリアの化学的変状・劣化 調査エリア地質構造モデル 地質構造 断層・破砕帯構造 地下水年代分布 地下水化学分布 リニアメント 位置・規模 岩盤の透水係数 割れ目の頻度・大きさ・方向割れ目の幾何学特性 割れ目の透水特性 地形構造 水理境界 地下水位 間隙水圧 地温分布 断層・破砕帯の内部構造 地質分布・層序 岩盤の力学解析モデル 詳細地質構造モデル 地震パラメータ 地形・地質構造発達史 初期地圧 粘土鉱物特性 地形面区分 地形面年代 地形面高度 火山性微動 地質温度構造図 気温・水温・乾燥量 イオン含有量 岩盤の熱特性 間隙水圧分布 地域水理地質構造 詳細水理地質構造モデル 岩盤静的力学特性 岩盤動的力学特性 緩衝材材特性 隆起規模・様式・速度・量 侵食規模・様式・速度・量 岩種・岩級 断層・破砕帯 位置・規模 降水量 湧水量/蒸発散量 河川流量 地形解析 地形測量 トレンチ調査 地化学調査 地表水質調査 水文調査 土壌調査 地表調査 地表地質踏査 地形解析 地形測量 トレンチ調査 地化学調査 地表水質調査 水文調査 土壌調査 地表調査 地表地質踏査 広域水理地質構造モデル 透水係数分布 母岩の透水構造 岩石鉱物組成 地下水年代特性 広域地質構造 地下水組成 地域地質構造 ・連続体モデル ・割れ目ネットワークモデル 熱対流 ・決定論的モデル ・確率論的モデル 岩石の透水係数 地下水流動系 酸化還元電位 変質幅 拡散幅/実行拡散係数 分配係数 有機物・微生物種類・濃度 地下水流動への影響 火山の有無 気候変動曲線 掘削技術 コア観察 孔曲がり測定 孔壁観察 物理検層 孔内水平載荷試験 初期地圧測定 透水試験 地下水検層 間隙水圧測定 地下水位測定 ボーリング調査(群列を含む) 地下水採取 掘削技術 コア観察 孔曲がり測定 孔壁観察 物理検層 孔内水平載荷試験 初期地圧測定 透水試験 地下水検層 間隙水圧測定 地下水位測定 ボーリング調査(群列を含む) 地下水採取 堆積面・堆積相・地層 涵養量 核種移行特性への影響 隆起・沈降特性 侵食特性 断層活動履歴 埋戻し材特性 堆積面年代 ・GPS測量 凡 例 解析用モデル 分岐・合流 分岐・合流しない ※既存情報による調査は、基本 的にすべての調査に反映される ものと考え、既存情報のみより データが与えられる場合以外の フローダイヤグラムは省略した。 凡 例 解析用モデル 分岐・合流 分岐・合流しない ※既存情報による調査は、基本 的にすべての調査に反映される ものと考え、既存情報のみより データが与えられる場合以外の フローダイヤグラムは省略した。 建設・操業への著しい影響 建設・操業への著しい影響 水質組成特性 調査エリア水理地質構造モデル 熱水変質帯分布 海食(波食台)の幅 海水準変動曲線 海水準変動周期・速度・量海水準変動周期・速度・量 比抵抗分布 塩水-淡水境界 Fig.3 統合化データフローダイアグラム 社会技術研究論文集 Vol.4, 136-146, Dec. 2006 141 Fig.4 調査システムフロー第一次案(塩淡域・堆積岩環境) 調査段階2 (フェーズ1) 物理探査地上 物理探査海上 物理探査地上 物理探査海上 陸上物理探査 反射法地震探査、MT法等 海上物理探査 反射法地震探査等 物理探査(電気探査) 物理探査地上 物理探査海上 物理探査地上 物理探査海上 陸上物理探査 反射法地震探査、MT法等 海上物理探査 反射法地震探査等 物理探査(電気探査) 物理探査地上 物理探査海上 物理探査地上 物理探査海上 陸上物理探査 反射法地震探査、MT法等 海上物理探査 反射法地震探査等 物理探査(電気探査) 物理探査地上 物理探査海上 物理探査地上 物理探査海上 陸上物理探査 反射法地震探査、MT法等 海上物理探査 反射法地震探査等 物理探査(電気探査) 物理探査地上 物理探査海上 物理探査地上 物理探査海上 陸上物理探査 反射法地震探査、MT法等 海上物理探査 反射法地震探査等 物理探査(電気探査) 物理探査地上 物理探査海上 物理探査地上 物理探査海上 陸上物理探査 反射法地震探査、MT法等 海
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