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地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日)1 地質環境の長期安定性に関する研究の 成果および今後の計画 - 地震・断層活動に関する研究 - 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 地層処分研究開発部門 資料3 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 全体計画における達成目標(~全体計画における達成目標(~H22頃)頃) 2 地上からの調査段階において,具体的な地域を対象として, 活断層の分布を特定でき,その過去の活動による周辺岩盤へ の力学的,水理学的影響の主な範囲を調査・評価できる手法 を提示する。 力学的影響断層活動に伴う地層の変形および岩盤の破壊 水理学的影響断層帯の透水構造の時空間変化に伴う地下水流動の変化 活動性の低い活断層の疑いがある断層を抽出し,その活動性 を調査・評価できる手法を提示する。 活動性の低い活断層活動間隔が長い,一回の活動における変位量が小 さいなどの理由で,地表に明瞭な変動地形を残さない活断層 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 全体計画における研究課題(~全体計画における研究課題(~H22頃)頃) 活断層に関する調査技術 断層活動の影響評価モデルの開発 3 活断層の分布に関する調査技術 低活動性の活断層に関する調査技術 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 活断層の分布に関する調査技術活断層の分布に関する調査技術 4 研究課題研究課題 活断層の移動,伸長,変形帯の発達過程を把握する調査手法 の適用事例を提示する。 地形,地質,地球物理学的手法などの要素技術を組み合わせ た活褶曲および活断層の調査方法の適用事例を例示する。 実施内容実施内容 逆断層帯における分岐断層(前縁断層)の発達履歴の調査 横ずれ断層帯におけるステップ部および断層端部の地質構造 の調査 副次的な断層の特徴および発達履歴の調査 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 逆断層帯における分岐断層の発達履歴の調査逆断層帯における分岐断層の発達履歴の調査 5 秋田県横手盆地東縁断層帯の分布と 反射法地震探査断面の解釈図(楮原ほか,2006) 地形・地質調査,年代測定,反射法地震探査等の調査手法を組み合わせることにより, 逆断層帯における分岐断層(前縁断層)や撓曲構造の三次元的な分布を把握 A B C A B C 伏在断層 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 横ずれ断層帯におけるステップ部の地質構造の調査横ずれ断層帯におけるステップ部の地質構造の調査 6 Sibson, 1986 圧縮性 ステップ 引張性ステップ 岐阜県跡津川断層を対象とした空中写真判読と地質 調査により,圧縮性ステップを認定(丹羽ほか,2006) 圧縮性ステップ 圧縮性ステップ周辺における,剪断面等の分布,方向, 性状についての規則性を抽出(丹羽ほか,2006) 詳細な地質調査により,破砕帯が 広範囲に発達するとされる圧縮性 ステップ周辺の地質構造を把握 現在,マイクロクラックの分布密度 についても解析中 面構造の傾斜方向のステレオネット 圧縮性ステップの 範囲内でのみ発達 (北北東走向, 東傾斜) 跡津川断層の 一般的な姿勢 (東北東走向, 北傾斜) mesoscopic 国土地理院150,000地形図「白木峰」「飛騨古川」を使用 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 横ずれ断層帯における断層端部の地質構造の調査横ずれ断層帯における断層端部の地質構造の調査 7 跡津川断層の西端部の断層破砕帯の分布と姿勢 Willson et al., 2007を一部改変 wing crackやshear fractureの発達の程度は, ・主断層の長さ ・差応力 ・最大圧縮応力軸と主断層とのなす角 ・隣接する断層との相互作用 ・基盤岩の地質 に大きく依存 跡津川断層トレース(ENE走向) wing crackに相当する 断層群(WNW走向) 国土地理院125,000地形図「角川」を使用 wing crackやshear fractureに相当する分岐断層が発達する断層端部の地質構造を調査 開口性のwing crackの分布と,鉱物脈の分布,および基盤岩の地質との関連について, 今後特に検討 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 副次的な断層の特徴および発達履歴の調査副次的な断層の特徴および発達履歴の調査 8 岐阜県東部,阿寺断層系周辺の断層分布 熱水鉱物脈に沿って発達する破砕帯節理面に沿った変質 著しい摩耗による角礫化・細粒化 マイクロクラック密度は15/mm以上 原岩の組織が残存 マイクロクラック密度は4/mm程度 地質調査所「阿寺断層系 ストリップマップ」を使用 熱水鉱物脈 主断層の周辺に分布する副次的な断層は,岩脈等の地質学的な弱線部において選択的に発達 副次的な断層の活動に伴う破砕帯と,節理面に沿った変質や岩盤クリープ等による変形とは, 地質構造と微細変形組織に基づき識別可能 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 活断層の分布に関する調査技術活断層の分布に関する調査技術 9 これまでの成果これまでの成果 逆断層帯については,前縁断層や撓曲構造の三次元的な構造を 明らかにした。横ずれ断層帯については,断層のステップ,分岐 や副次断層の形成に関連する地質構造を明らかにした。 活動時期の決定に未だ多くの制約があるものの,詳細な地形・ 地質調査と物理探査等を組み合わせることにより,断層帯の不均 質性を考慮した活断層の分布と発達履歴を把握することができる ことを示した。 今後の課題今後の課題 断層の成長の将来予測に資するため,地表部のトレースが数km 以下の断層を対象とした,活断層の発達履歴に関する調査技術の 適用性の確認を行う。 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 低活動性の活断層に関する調査技術低活動性の活断層に関する調査技術 10 研究課題研究課題 活動性の低い活断層の疑いがある断層の活動性を明らかにす るため,地球化学的調査などを活用した調査技術を開発する。 実施内容実施内容 地形学的証拠のみでは活動性の評価が困難な断層に対する調 査手法の確立を目指した研究 <地球化学的調査の活用> 断層から放出される水素ガス濃度分布の調査 <構造地質学的調査の活用> 断層岩の組織記載と粘土鉱物組成による破砕帯調査 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層から放出される水素ガス濃度分布の調査(断層から放出される水素ガス濃度分布の調査(1) ) 11 断層活動に伴う新生破壊表面と水とのラジカル反応によって発生する水素に着 目した調査。 活断層から高濃度の水素が放出される例があることは既に報告されているが,従 来の測定方法では,断層帯全体の広範囲にわたる測定に大きな手間がかかる。 従来よりも大幅に短い時間で多地点での測定ができるよう測定方法を改良 携帯型水素ガス測定器を使用した測定 掘削口径を小さくすることにより,掘削部の擾乱に伴う水素ガス初期放出の影響を 低減 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 0 200 400 600 800 系列1 系列2 断層から放出される水素ガス濃度分布の調査(断層から放出される水素ガス濃度分布の調査(2) ) 12 水素ガス測定値(ppm) 2時間後以降も継続的に放出 1~2時間後以降は減少 活断層および地質断層を対象に広 域的に測定を行い,水素ガス放出 量変化の大局的な傾向については 明瞭な違いがあることを確認 ただし,同じ断層帯の中で放出の 傾向にばらつきがあり,断層構造の 不均質性等を踏まえた検討が必要 跡津川断層周辺における水素ガス 放出の傾向(島田ほか,2007) 2 17 518 0 16947 135 0 443 333 0 0 211 0 51 0 2 21 7810 212 2~3時間後の放出量(ppm) 1時間後2時間後3時間後 山崎断層(兵庫県,活断層) 仏像構造線(三重県,地質断層) 2074 94 40 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層岩の組織記載と粘土鉱物組成による破砕帯調査断層岩の組織記載と粘土鉱物組成による破砕帯調査 13 阿寺断層沿いの破砕帯露頭の例 断層角礫断層ガウジ(1) カタクレーサイト ・延性的な変形をする黒雲母と脆性的 な変形をする石英・長石との共存から, 約150℃~250℃での変形 ・約100℃以下で安定なスメクタイトに富む ・断層ガウジには上野玄武岩(1.6Ma)起源の 苦鉄質岩の岩片を含む→活動時期を制約 断層ガウジ(2) ・酸化的な地下水との反応でできるカオリナイトに富む ・非変形の花崗岩の岩片を含む 露頭~顕微鏡スケールでの変形構造解析と鉱物組成分析とを組み合わせることにより, 地形的特徴のみでは分かりにくい地域における破砕帯の発達履歴を復元 活動順序は カタクレーサイト→断層角礫・断層ガウジ(1)→断層ガウジ(2) 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 低活動性の活断層に関する調査技術低活動性の活断層に関する調査技術 14 これまでの成果これまでの成果 地球化学的な調査技術の開発の一環として,断層から放出される 水素ガス濃度分布を利用した調査技術の適用性を向上させた。また, 詳細な断層岩の組織記載と粘土鉱物組成等から,最近の活動を含む 破砕帯の発達履歴を復元した。 地球化学的調査や破砕帯の岩石学的調査等を組み合わせることに より,地形学的調査によるアプローチが難しい断層の活動性に対し て調査精度を向上させる見通しを得た。 今後の課題今後の課題 水素ガス測定に加え,メタン,二酸化炭素,ヘリウムガスなどの 測定を組み合わせるとともに,安定同位体比測定も検討しながら, 地下深部から放出される流体を用いた調査の適用性の向上を図る。 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層活動の影響評価モデルの開発断層活動の影響評価モデルの開発 15 研究課題研究課題 断層活動に伴う周辺岩盤への力学的・水理学的な影響範囲のモ デルに関する調査事例を提示する。 実施内容実施内容 <力学的影響> 地層の変形断層活動に伴う地形変化のモデル化 岩盤の破壊破砕帯の広域的な分布特性に関する調査 <水理学的影響> 破砕帯中の流体の移行経路に関する調査 断層活動を考慮した広域地下水流動解析 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層活動に伴う地形変化のモデル化(縦ずれ断層)断層活動に伴う地形変化のモデル化(縦ずれ断層) 16 横手盆地東縁断層帯のバランス断面図(楮原ほか,2006) 地質調査や反射法地震探査等のデータに基づくバランス断面解析により,逆断層帯に おける分岐断層(前縁断層)や撓曲構造の発達する幅の変化を復元 A B 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日)17 断層活動に伴う地形変化のモデル化(横ずれ断層)断層活動に伴う地形変化のモデル化(横ずれ断層) 徳島県の中央構造線を対象とした 空中写真判読とディスロケーション 解析の結果(丹羽ほか,2007) 詳細な空中写真判読によってモデル化した断層分布に 基づくディスロケーション解析により,屈曲部やステップ 部での地表の変形の程度を見積もることが可能 ディスロケーション解析 についてはUSGSの Coulomb3.0を使用 国土地理院125,000地形図「辻」「市場」を使用 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 破砕帯の広域的な分布特性に関する調査破砕帯の広域的な分布特性に関する調査 18 跡津川断層帯周辺における破砕帯の広域分布 活断層帯周辺の破砕帯の広域的な分布傾向を確認 破砕帯の多くは,岩脈等の既存の弱面において選択的に形成されることを示唆 破砕帯断層ガウジ+断層角礫 +カタクレーサイト 黒色安山岩岩脈に 沿って発達する 断層ガウジと断層角礫 断層の両側500m以遠では, 幅2mより大きい破砕帯は見られない 国土地理院1200,000地形図 「高山」を使用 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 破砕帯中の流体の移行経路に関する調査破砕帯中の流体の移行経路に関する調査 19 阿寺断層破砕帯露頭のルートマップと, 水素ガス放出量のプロファイル 破砕帯の詳細な地質調査と,水素ガス濃度の原位置測定を組み合わせることにより,破 砕帯の構造と流体の移行経路との関係について推定 ★破砕帯の中でも,割れ目の 多いカタクレーサイトや断層角 礫で水素ガスの放出量が高く, 粘土に富む断層ガウジでは放 出量が非常に低い 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層活動を考慮した広域地下水流動解析断層活動を考慮した広域地下水流動解析 20 東濃地域を対象とした広域地下水流動の感度解析の結果得 られた地下水面分布の推移(河口ほか,2007) ※年代の違いは,断層の分布および地形・気候の違いを反映 断層の分布や破砕帯の透水構造に関する情報を,地殻変動および気候変動を考慮した 地下水流動解析に反映 現在1.1Ma0.2Ma Chester et al.,2004 を一部改変 ★標高0mより深部では,どの年代においても, 断層の走向方向,深さ方向の条件が大きく影響 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層活動の影響評価モデルの開発<力学的影響>断層活動の影響評価モデルの開発<力学的影響> 21 これまでの成果これまでの成果 現地調査データに基づくバランス断面解析やディスロケーション 解析により,断層活動に伴う地層の変形の程度を見積った。また, 広域的な地質調査により,主断層周辺の破砕帯の分布と性状の傾向 を確認した。 地層の変形については,既存の現地調査データに基づく解析と, 解析結果の現地調査へのフィードバックにより,影響範囲について モデル化できる見通しを得た。 今後の課題今後の課題 断層の形成過程に関する実験・解析による既往研究を踏まえつつ, 断層活動,特に岩盤の破壊による影響範囲のモデル化に必要なデー タ収集を継続する。 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日) 断層活動の影響評価モデルの開発<水理学的影響>断層活動の影響評価モデルの開発<水理学的影響> 22 これまでの成果これまでの成果 破砕帯の組織記載と水素ガス濃度分布の調査から,破砕帯中の流 体の移行経路に関する情報を得た。また,断層活動に関するパラ メータを加えた広域地下水流動の感度解析を行い,断層活動の影響 の程度について評価した。 広域地下水流動解析に反映させるための,断層の分布および破砕 帯の透水構造に関する情報の整備を進めつつある。 今後の課題今後の課題 断層帯の透水構造の不均質性に関する情報の補強を行い,断層 (活動)による影響評価モデルの最適化を図る。 地質環境の長期安定性研究検討委員会第4回(2008年3月10日)23 断層の発達履歴に関する調査技術断層の発達履歴に関する調査技術(活断層の分布に関する調査技術)(活断層の分布に関する調査技術) 総延長数10km規模の活断層帯に含まれない長さ数km以下の断層を対象とし, 活断層の発達履歴に関する調査技術の適用性の確認,および断層の形成過程 のモデル化に必要な情報の整備を行う。 断層の活動性に関する調査技術断層の活動性に関する調査技術(低活動性の活断層に関する調査技術)(低活動性の活断層に関する調査技術) 水素ガス測定と,メタン,二酸化炭素,ヘリウムガスなどの測定を組み合 わせるとともに,安定同位体比測定も検討しながら,地下深部から放出され る流体を用いた調査の適用性を向上させる。 断層活動の影響評価モデルの開発断層活動の影響評価モデルの開発 力学的影響については,活断層の発達履歴に関する調査から得られたデー タと,アナログ実験や数値解析などによる研究事例との整合性について評価 し,モデルを補強するための現地調査,解析を行う。 水理学的影響については,断層帯の透水構造の不均質性に関する情報の補 強を行い,断層(活動)による影響評価モデルの最適化を図る。 H20以降の計画以降の計画
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