资源描述:
- 164 - 新潟県中越沖地震の地質環境災害に関する現地調査結果 -その1 震源分布と地質構造- 風岡 修 楠田 隆 酒井 豊 古野邦雄 吉田 剛 笠原 豊 1 はじめに 新潟県柏崎北方沖の日本海において,2007 年 7 月 16日 10時 13分頃, 北緯 37度 33.4分 東経 138 度36.5分 深さ17kmに震源を持つM6.8の2007 (平成 19)年新潟県中越沖地震が発生し(図 1), 新潟県の柏崎市・刈羽村・旧西山町(現在柏崎市) ・ 旧小国町 (現在長岡市) および長野県の旧三水村 (現 在飯縄町) において気象庁震度階 6 強の強いゆれが あった 1(図 2) 。 2 地質構造と今回の地震との関係 図 1 は, 新潟県地質図のうち中越地域の地質図上 に今回の地震の本震とその余震域および 2004 年中 越地震の本震と余震域を示したものである。 中越地域の地質は,山地・丘陵部には新生代中新 世~更新世中期の地層が分布し, 低地には沖積層が 分布する。なお,山地・丘陵部は一般に背斜軸部に 発達し,低地は向斜軸部に発達する傾向がある。そ してこれらは北東~北北東方向に延び, 平行に数列 並んでいる。背斜軸部付近には中新世の地層が,こ れを取り巻くように鮮新世・更新世の地層が分布す る。 一方, これら褶曲軸の開始点や終了点および屈曲 点は図に示すよう北西方向に並んでおり, これら北 西方向の構造も平行に並ぶ。そして,2004 年中越 地震および 2007 年中越沖地震の本震および余震域 の分布は, この北西方向の地質構造に規制されてい る。 図 2 は,各地方自治体の震度計,防災科学技術研 究所の K-NET・KiK-net 強震計データ,気象庁の 震度計データをもとに作成した気象庁震度階分布 である。なお,強震計データは,防災技術研究所作 成の地震データの解析ソフトである SMDA2 によ り気象庁計測震度値に換算した。 この図より以下の ことが読み取れる。 ①震央に近いほど強く揺れてい るわけではなく, 余震域に近いほど強くゆれている。 ②震度階 6 強の分布域は, 北東方向に延びをもち余 震分布域周辺および震度階分布は大局的には北東 方向に延びを持つ。6 強は余震域に入る尼瀬背斜構 造の部分である。6 弱は尼瀬背斜の南東に並ぶ。小 木ノ城背斜さらに南東隣の八石背斜・石黒背斜およ び米山火山体にほぼ一致する。 ③揺れの卓越方向は, 余震域から外に向かって地震動が放出されたよう に分布する。特に余震域の南東方向では,余震域の 幅に北西-南東方向の揺れが卓越する(図 2) 。 図 3 は,2004 年中越地震発生前の 1983~2004 年 9 月の震央分布図である。 このうち多くの震源は 深さ 20km 以浅の浅い地震である。 破線で示した線 上に震央が並び, この位置はちょうど北北東~北東 方向に延びる褶曲軸が途切れたり, その方向を急に 変える屈曲点にあたっている。また,震源の多くは 褶曲構造に沿って発達している(図 1・3) 。 このように, この地域の地震は褶曲構造に密接に 関係しているといえる。 3 まとめ 地震および地震動は褶曲構造と密接に関係して いるので,千葉県内での地震防災を考える際には, 褶曲構造も考慮する必要があるといえる。 引用文献 1 気象庁特集 平成 19 年(2007 年)新潟県中 越沖地震について.地震・火山月報(防災編) 平成 19 年 7 月,39-61(2007) . 2 新潟県新潟県地質図(改訂版)1200,000.新 潟県(1989) . 3 風岡修,高濱信行中越地域の地質構造と直下 地震. 新潟県中越地震 新潟の大地 災害と生活, 新潟日報事業社,116-130(2006) . - 165 - 図 1 2007 年新潟県中越沖地震・2004 年新潟県中越地震と地質構造 (新潟県地質図 2)上に各地震の本震および余震域さら に褶曲軸の終了点・屈曲点の連続線を加筆した。右は 2007 年新潟県中越沖地震余震分布と本震時の震源メカニズム 1。 ) 図 2 震度階分布と揺れの卓越方向 (気象庁に集約された 各自治体の計測震度データ 1)および防災科学技術研究所の K-NET・KiK-net データより作成。 ) 図 3 1983-2003 年の震央分布と地質構造との関係 3) (震央が北西方向の線上に連続する部分は, 褶曲構造の終了 点・屈曲点にほぼ一致する。 )
展开阅读全文